芦屋きみこピアノ教室(芦屋市高浜町)
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『父親たちの星条旗』
はっきりいって、すごい良かったです。
戦争を題材にした映画って、ただのお涙頂戴か、ただ残酷なだけか、はたまた主人公側の独りよがりって感じのものが多い気がしますが、これはそうではなく、そんな簡単な感想で片付けられるものではありませんでした。

『男たちの大和』もかなりよかったんですが、これは「今この場面で泣け!」って指令が脳に行くって感じだったのですが、『父親・・』は、しらない間に涙が流れてくるって感じでした。

戦争は、いつの時代でもトップのほん一握りの人が突っ走るのを、下っ端が(一般市民)が尻拭いをさせられているように思います。

その滑稽さ、奇怪さ、狂気の沙汰、がよく描かれています。

たとえば、大砲や銃弾が雨あられと降り注ぐなか、担架で怪我人を運んでいるシーン。おびただしい死体をまたぎながら。
運んでる人、撃たれるやん!担架の人ももっかい、撃たれるやん!

たとえば、「撃たれるぞ!よけろ!」って、マトリックスじゃないんだから、そんなことできるわけないやん!

たとえば、だんだん敵か味方かわからなくなって、結局味方を殺してしまう兵士。

たとえば、ちょっとしたきっかけで若い兵士を英雄に仕立て上げ、お金集めに利用する政府。そして用がなくなったら当然使い捨て。

これから多分死ぬだろうなって思いながら出陣するのって、どんな気持ちだろ。
目の前でともだちが一瞬にして肉の塊と化すときって、どんな気持ちだろ。

もしかしたら戦争をしないといけない大儀があるのかもしれないけど、だからって父親から、母親から、息子を奪っていいわけがない。妻から夫を、子供から父親を奪っていいわけがない。しかも問答無用で。

死んでも、生き残っても、実際戦場で戦っても、本国に残った人も、ぜんぶぜんぶあわせると、いったいどれだけの人が戦争のために人生を狂わせたんだろう。

私は戦争を知らない世代ですが、知らないですむ話ではないと思います。
映画は実話といっても脚色してあるでしょうけど、でも観ないよりましです。考えるきっかけにはなります。
実際は映画なんかよりずっと悲惨だったでしょうし、人間の数だけ映画なみのストーリーがあったに違いありません。

この映画は声を大にして偉そうなことを掲げるわけではないけど、静かに語りかけてきました。世の中には真剣に考えなければならないことってたくさんあるって思いました。

次章の日本の立場から撮った『硫黄島からの手紙』、絶対観ます。

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